肝試し 廃病院の怪

ある女性、A子さんが体験した話。

真夏の暑い夜のことだった。

A子さんは、友達2人と、地元では有名な心霊スポットに行くことになった。

廃病院だ。

暑い日だったため、涼しくなりたかったのかもしれない。

夜の11時過ぎ、車で心霊スポットに向かう3人。

女だけということもあって、行きの車内からワーキャーと騒いでいたという。

・・・・目的の廃病院の前に着くと、なんとも不気味な雰囲気だった。

車を停車させ、

「なんか気味が悪いねー。」

などと言っていたそのときだった。

突然、ガクンという衝撃とともにエンジンが止まってしまった。

車は停車させていたものの、エンジンは切っていなかったのだ。

3人は顔を見合わせる。

「おかしいなー、何で止まったの?」

運転していた女性は、わざと明るく言った。

キーを回してみると、 キュルキュル 言うばかりで、一向にエンジンはかからない。

皆の心に、不安が押し寄せてきた。

こんなところで、ずっと動けないなんて怖すぎる。

そのとき、一人の子が前方を指差し言った。

「ねえ、あそこ・・・ほら、あの辺り。。。なんだか光ってない??」

その子が指差す方向を見ると、確かに何か光って見える。

なんだろうか。

よくみると、懐中電灯を持った人が歩いているようだった。

人がいたのだ。

男の人が一人で、歩いているようだった。

皆は、安心したように笑った。

「他の人も、肝試しにきてるんだねー。最悪この車が動かなかったら、あの人に助けてもらおうよ。」

なんて、言っていたとき・・・

その懐中電灯を持った男が、徐々にこちらに歩いてくるのが見えた。

でも、何かおかしいのだ。

普通、暗闇で懐中電灯をこちら側に向けて照らしているならば、その人の姿は見えないはずだ。

なのに、姿かたちがはっきりと見える。

しかも、男の身体は不自然に膨れているのだ。

太っていると言うことではない。

なんと言えばいいのか、水死体のようにブヨブヨと身体が膨れているのだ。

歩き方も、ヨチヨチ、ヨタヨタとしていておかしい。

それを見ていたA子さんグループの誰かが、叫んだ。

「早く逃げようっ!」

その叫び声がスイッチになった。

狂ったように車のキーを回す。

「早くっ、早くっ!」

「急いでっ!」

「ほら、もうすぐそこまで来てるっ!」

ブルルルーーー

やった!

エンジンがかかった。

焦りながらも、なんとかバックで走り出す車。

そして、Uターンし、順調に走り出す車。

後ろを見ると、もう男の姿はなかった。。。。

安心したその瞬間だった。

どこからか、男の声が聞こえてきた。

「乗せてほしかった・・・・」

車に乗っていた全員が、その声を聞いていた。

それ以来。

A子さんたちは、心霊スポットには行かなくなったという。

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