友達との約束2

前回→友達との約束

俺がはっきり断ると、Aは寂しそうに言った。

「そうか。そうだよね。○(俺の名前)には○の世界があるんだよね。うん、分かった。突然、ゴメン。元気でね。」

「ああ、うん。本当ゴメンね。また連絡するからさ。じゃあね!」

そう言って電話を切った。

そのまま俺は、お楽しみ会の準備のために友達の家に出掛けた。

・・・そして、その日の夜のこと。

家の電話が鳴った。

その時間には、もうお母さんは帰ってきている。

電話に出たのはお母さんだ。

受話器を持ったお母さんの顔は一瞬で曇った。

そして、俺の顔を見た。

少しして電話を切ったお母さんは、暗い声でこう言った。

「あのさ、今日ね。Aくんが亡くなったんだって。」

え?

意味が分からなかった。

だって、Aとはさっき電話したばかりだし。

久しぶりに電話をもらったばかりだし。

俺は聞いた。

「亡くなったって、なんで?いつ?」

「今日の3時過ぎにね。学校の帰り道に、トラックに跳ねられたんだって。」

お母さんは涙声に変わったまま続けた。

「Aくんのお母さんが言うのよ。Aくんね、最近よく言ってたそうよ。【俺にとって一番の親友は○だ】って。それでね【将来一緒に会社作るんだ】って、言ってたそうよ。」

お母さんは、泣き出していた。

Aが事故にあった3時過ぎというと、ちょうど俺がAから電話もらったころだ。

あいつの言ってた「こっち来れない?」っていうのは、【あの世】って意味だったんだと気づく。

だからお金はかからないって言ってたのか。

俺はてっきり、電車賃はAが負担してくれるって意味だと思っていた。

それにAの奴。

まだ一緒に会社作る話を本気で考えていたのか。

四年のときに、二人で計画していたんだ。

将来は二人で会社を作って大儲けしようなって。

それで、儲けた金でゲームやろうなって。

あいつ。

馬鹿野郎だ。

俺にとっても一番の親友はお前だったよ、ちくしょう。

何、死んでんだよ、馬鹿!

これじゃ、会社作れねえだろが。

このとき、俺は不思議と怖くなかったんだ。

友達にこの話をすると、

「それってさ。Aって子に、あの世に連れて行かれそうになったってことだよね?超怖いじゃん!」

などと言われる。

でも、俺は少し解釈が違う。

Aは、純粋に俺と会社作る約束を守りたかっただけだったんだって。

だから、俺があの世に行けないと分かると、すんなり退いてくれた。

あいつは友達を道連れにするような奴じゃないって、俺が一番分かってるんだ。

・・・・・・今俺は、20歳になったぞ、A。

もうすぐ、約束通り起業する。

社名には、俺とお前のイニシャル入れるから。

で、稼いだ金で真っ先にゲーム買うぞ。

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