怖い話・追いかけてくる異界の者

これは、K美さんが体験した話。

K美さんが、高校生のころ。

文化祭の準備で、帰りがとても遅くなってしまった。

家は、駅から自転車で1時間近く。

夜の帰り道は街灯も少なく、人通りもあまりない。

女の子一人では、とても怖い。

「ああー、怖いけど。早く帰らなくちゃ。」

その日は、普段なら絶対に通らないような近道を選んでしまった。

近道を通れば、家までの帰りが10分ほど早くなる。

だが、その道はとても暗い。

当然ながら、人気はまったくなく、おまけに周りは墓地に囲まれている。

それでも、K美さんはすぐにでも帰宅したかったため、近道を選んでしまった。

K美さんが、を自転車を走らせていると、遠くに人が立っているのが見えた。

何でこんなところに人が立っているのだろう?

K美さんは、不思議に思いながらも自転車を漕いだ。

近づくにつれて分かったのだが、立っているように見えていた人は、立っていなかった。

その人は、座っていたのだ。

座っているのに立っているように見えたのには、理由があった・・・・。

K美さんが自転車でその人の横を通り過ぎるときに、その人は立ち上がったのだ。

その人は、立ち上がると身長が3メートル以上あった。

人気のない夜道に一人でずっと座っていたこと。

K美さんが通り過ぎたとたんに立ち上がったこと。

大きすぎる身体。

これらのことから、普通じゃないことがわかる。

もちろん、K美さんの全身を恐怖が支配した。

「逃げなきゃ、やばい・・・・」

そう確信し、全力で自転車を漕いだ。

すると、後ろからは

ズサ

ズサ

という音が聞こえてきた。

後ろを振り返っても暗くて何も見えない。

だが、音の感じからして、先ほどの人が追いかけてきていることが分かった。

追いつかれたらマズイ。

死に物狂いで、全力で自転車を漕いだ。

でも、一向に音は遠ざからない。

ズサ

ズサ

それでもK美さんは、暗闇の中を全力で自転車を漕いだ。

どれくらい逃げただろうか。

もう、心臓と肺は爆発寸前だった。

太もももパンパンになっているのが分かる。

耳を澄ますと、先ほどの音は、だいぶ遠のいていた。

K美さんが勝ったようだ。

「ああ、助かった。」

そのとき、遠くから異常な叫び声が聞こえた。

「ころ・・・・殺し・・・足りない・・・・」

その叫び声を聞いてから、またもやK美さんは全力で自転車を漕いだ。

自宅まで、猛スピードで帰った。

その後。

K美さんは、もう2度とその道は通らないと心に決めた。

その後、あの異常な人(怪物?)とも会うことがなくなったという。

スポンサーリンク