山道の怖い話「復讐・女の幽霊」

ある山道に、女の幽霊が出るという噂がある。

なんでも、その女は生前、街に1人でいるところを複数の男たちにナンパされたそうだ。

さわやかそうな男たちの見た目を信じてついて行ったのだが、山道に連れ込まれ強姦されてしまったのだという。

複数の男から強姦された後、彼女は真夜中の山に捨てられた。

女は1人真っ暗闇の中彷徨った挙句、足を滑らせて崖から転落。

そのまま、死んでしまったのだという。

ただ不運なことに、崖から落ちる途中で木にぶつかった。

それがクッションの代わりになってしまい、即死できなかったという。

長い時間苦しい思いをした女。

出血多量で死ぬまでの長い時間、自分を強姦した男たちを恨み、憎しみ、呪ったのだとか。

それ以来、その山道には、女の幽霊がたびたび目撃されるのだという。

ただ、女の幽霊は、白いワゴン車で運転手が若い男のときだけしか現れないというのだ。

強姦魔の男たちが乗っていた車は、白いワゴン車だったためだ。

自分を凌辱し、死に至らしめた男たちを捜しているという。

これはすべて噂話だ。

よくある怪談系の都市伝説とでも言おうか。

俺は、こんな話まったく信じていなかったから、良太の誘いにもあっさりと乗った。

「なあ、暑いし。今日、幽霊探しに行かねえか?」

良太の車は、白いワゴン車だ。

俺たち2人は、若い男。

あの都市伝説を信じるならば、幽霊を見るための条件はぴったりだった。

・・・・その日の夜。

俺と良太は軽い気持ちで、例の山道へと向かってしまった。

この辺りは、昼間なら少しは車も走っているのだが、夜になるとほとんど車は通らない。

道路照明灯も少なく、車のライトをハイビームにしないと、前方がよく見えず怖い。

1時間近くその道をゆっくりと走っただろうか。

ときには、車を停車させ幽霊を待ったりもした。

でも、何も起こらない。

やはり、怖い噂なんてこんなものだ。

まあ、雰囲気だけでも十分楽しめた。

じゃあ、来た道を戻ろうか。

そう思ったときだった。

運転している良太が、

「ひっ!」

と小さく悲鳴を上げた。

良太の方を見ると、ハンドルの下から何かが出いていた。

よく見ると、黒く長い髪で真っ白い顔をした女が顔を出している。

俺は、危うく叫びだすところだった。

女は、ハンドルの下からヌルヌルと蛇のように這い出してきた。

そして、無表情のまま良太の首筋まで顔を近づけた。

数秒すると、今度は俺の方にヌルヌルと寄って来る。

俺は反射的に、身体を逸らそうとしたが身体がまったく動かない。

その間にも、女は蛇のように俺の首筋まで来ると、すーっと息を吸い込んだ。

俺は一瞬、「幽霊も息をするのか。」などと冷静なことを考えてしまった・・・・

次の瞬間、その女は消えていた。

俺と良太は、生きた心地がしないまま顔を見合わせる。

「・・・・・・・・今の・・・・幻じゃないよな・・・?」

何度も確認しあった。

もしも、あの怖い噂が本当だとすると。

さっきの女の幽霊は、自分を強姦した犯人たちを復讐のために捜していることになる。

当たり前だが、俺と良太は犯人じゃない。

だから、助かったのだろうか。

俺にもよくわからない。

そもそも、あの噂が本当なのかどうかもよくわからない。

ただ、1つ言えることは、もう2度とあんな怖い思いはしたくないということだ。

無表情の真っ白い顔の女。

俺は、あの顔を2度と忘れることはないだろう。

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