事故現場の悪ふざけは地縛霊の怒りを買う

これは、友達の話。

仮にその友達を、Aとしておこう。

その日、Aが友人Bと、酒を飲んでいた。

ちなみに、この二人は割とやんちゃな奴らで、ネット用語で言えばDQNに分類されるような奴らだ。

二人はガンガン酒を飲み、居酒屋を梯子した。

深夜3時過ぎに居酒屋が閉店したので、しぶしぶ外に出る二人。

もうベロンベロン状態なのに、まだ飲み足りない。

コンビニで酒を買うと、歩きながら飲んだ。

途中通りかかった道の端に、お花とジュースが供えられていた。

きっと誰かの事故現場なのだろう。

供えられていた花もジュースも新しかったそうだから、亡くなったのはつい最近のようだ。

AとBは、元々の性格がめちゃくちゃだ。

しかも、アルコールが加わったせいで、気が大きくなっていたのだろう。

「おっ、ジュースがあるぞ。しかもタダだっ。」

大声で言うと、供えられているジュースを勝手に飲みだした。

それだけではなく、供えられていた花でも遊びだす。

事故現場を散々荒らした二人は、歩き出そうとした。

そのとき、何かに足がもつれBが転んだ。

それを見て、大笑いするA。

立ち上がろうとしても、一向に立ち上がれないB。

「お前何やってんの?マジウケるから。あははーー。写真撮ってやるよ。お前の格好すげー面白いから、みんなに送るわ。」

Aは、転んで立ち上がれないBのことを写真に撮り、深夜なのに俺に送り付けてきた。

もちろん、俺はその時間眠っていたからその画像を見たのは、次の日の朝だ。

朝起きてから、携帯を見るとAからメールが来ている。

開いてみると、なんだか性質の悪いイタズラメールに思えた。

Aの友達(Bなのだが、俺はBと直接の面識はない)が不自然に身体の折れ曲がった若い男に、体に絡みつかれてる。

あり得ない方向に関節が曲がっていて血だらけの男が、Bに絡みついているのだ。

そのときは、加工して作ったイタズラ写真だと思った。

それにしても気持ち悪い写真だ。

こんなものを朝一で見せられて、俺は不機嫌になった。

だから、Aに対して抗議のメールをした。

「おい、なんだありゃ?気持ち悪いメール送ってくんな。」

すると、昼過ぎに返事がある。

「え?なにが?つーかよ、昨日写真で送った友達(Bのこと)いるだろ?あいつ、あのまま立ち上がれなくて、結局救急車で運ばれたんだよ。急アル(急性アルコール中毒)って言われたんだけど、半日経っても良くならないんだ。」

あの写真はイタズラじゃないのか。

俺は、急に寒気がして、その日の夜にAと会った。

そして、昨日送られてきた写真をAに見せた。

すると、だんだん血の気が引けたような顔になるA。

「なんだよ、これ・・・・?これ、お前(俺のこと)のイタズラじゃないのか?」

Aは、顔をしかめている。

そして、とにかく事故現場の地縛霊(?)に謝った方が良いということになった。

俺とAで新しいジュースと花を買って、昨日二人が荒らしたという現場に行ってきた。

その場で、散々謝ったお蔭かどうかわからないが、その後Bの容体は良くなっていった。

Bの体調が元通りになったとき、俺に送られてきた写真から、血だらけで体が折れ曲がった男の姿が消えていた。

これは、幽霊がAとBを許してくれたということになるのだろうか。

少なくとも、二人は今、何事もなく生活している。

だけど・・・俺は思った。

死者を冒涜するような行為は、絶対にやってはいけないのだと・・・・

スポンサーリンク