俊夫さんは、知り合いの紹介で霊能力者と出会った。
これはチャンスだと思い、気になることを聞いてみた。
「今度、先輩に連れられて、○○(地名)という場所に遊びに行くんです。あそこは危険な場所だと言われていますが、どうなんでしょう?」
すると、霊能者は答えてくれた。
「肝試しで行くの?まず、面白半分でそういう場所に行くのは絶対に良くない。それとね、○○はほとんどの場所は大丈夫なのだけれど、一箇所だけ絶対に人間が足を踏み入れてはだめなところがあるんだよ。そこさえ、行かなければ大丈夫。でも、最初に行ったように、面白半分なら行かない方がいい。」
それを聞いた俊夫さん。
納得したし、安心できた。
そうか、あまり変な所に行かなければ大丈夫なのだなと理解した。
○○に出向く当日。
先輩に、この話を聞かせた。
だが、これが災いの元だったのだ。
「え?面白えじゃんよ。探してみようぜ。人間が入ったらだめな場所をよ!」
先輩は決して悪い人ではない。
でも、なんというかノリが少しヤンキーチックというか、調子に乗らせると性質が悪い人なのだ。
俊夫さんは、ため息をつきながらも、どうせ危険な場所は探し出せないだろうと高をくくった。
○○に到着した後、先輩に連れられて散々歩き回った。
もう足が棒になるのではないかというくらいに。
不気味な場所もあったし、神秘的に思えるような場所もあった。
だけれど、どの場所が危険な場所なのか、素人の俊夫さんには皆目見当もつかなかった。
後日、俊夫さんはまた霊能力者の方と会う機会があった。
会った瞬間、霊能者は俊夫さんから距離を取ると、こう言い放った。
「なんで、入ったんだ!?」
俊夫さんは一瞬意味がわからずにポカンとする。
「え?」
「人間が足を踏み入れてはだめなところがあると伝えてあっただろう?!」
すごい形相だ。
「え?何かやばい感じですか?」
俊夫さんが霊能者に近づこうとすると、
「私に近寄らないでくれ。距離をとって話してくれ!」
そう言われてしまい、さすがに怖くなってくる。
「え?僕は、どうしたらいいいんですか?!」
「・・・・・・・・もう、どうしょうもない・・・私にはどうにもできない。。。ただ、一つ言えることは、君の家系はそれなりに強い。だから、あと1年は持つかもしれない。今のうちに、親しい人にお別れの言葉を残しておくことだけ。。。。。私に言えるのは、これだけだよ。力になれなくてごめん・・・・」
・・・・・・・・・・絶句。
俺がしたことは、それほどやばいことだったのだろうか。
そんなこと、信じたくなかった。
でも、一緒に遊びに行った先輩は、それから3日後になぜか自殺してしまった。
原因は、まったくの不明。
自殺をするような人じゃないことだけは、確かだった・・・・
霊能者の人から、死の宣告を受けてから現在で3ヶ月が経過した。
俺の余命は、もう1年もないのかもしれない。
いつその日が来るのだろうか。
毎日おびえて生活している。