地縛霊とは、死んだ場所に魂だけが残り続けることをいう。
今日は、三浦さん(仮名)が体験した話を書きたいと思う。
三浦さんは、深夜終電を逃してしまい、タクシーを拾って帰ろうとしていた。
だが、あいにくとその場所は田舎なのだ。
なかなかタクシーの通らない。
こんな場所で一晩野宿は嫌だな、と思いながらも道を歩いた。
すると、ラッキーなことに1台のタクシーが後ろからこちらに向かって走ってくるではないか。
さらにラッキーなことに、空車のようだ。
早速、タクシーに乗車し、行き先を告げる。
これで、今夜は自宅のベッドで安心して眠れそうだ。
何もないような田舎道を、ただひたすら走り続けるタクシー。
道が暗く、周りに車が走っていないため、タクシーはハイビームで進んでいた。
すると、ふと前方の道路の端っこに何かが見えた気がした。
魚のようなものが跳ねているように見えたのだ。
よく分からないが、大きさは池の鯉くらいだろうか。
三浦さんは、運転手に尋ねる。
「あれなんですかね?」
「うーん、何でしょうね?魚じゃなさそうだけど・・・」
運転手にも、その白っぽいものが魚のように見えたようだった。
車が白っぽいものに近づくと、それの色は白だけでなく赤も混じっていることが分かった。
そして、その跳ねているものが何か分かってしまった・・・・
魚のように跳ねているものは、、、、人間の腕だった・・・・・・・・
肘の辺りから指先にかけての腕だ。
それが、道路脇で、ピチャ、ピチャっと、魚のように跳ねていたのだ。
「あれ・・・・な、なんですか・・・・?」
三浦さんは、震えた声で運転手に尋ねた。
運転手にだって、分かるわけないだろうが、顔面蒼白で答えてくれた。
「・・・わ、分かりません。。。。でも。確かね・・・・1週間くらい前だったかな、、、あそこのすぐ近くでね、死亡事故。。。交通事故があったって、話ですよ。だから、今のは、、幽霊なんですかね・・・・」
三浦さんは、怖くて返事ができなかったという。
自分が死んでしまったことが分からず、今でも現世に残ってしまっているのかもしれない。