姪っ子の独り言

これは、女性の体験談です。


結婚し、県外に嫁いですぐに主人の祖母が心不全により亡くなりました。主人は四人兄弟の末っ子で、長女とは7歳離れている事から、祖母に一番可愛がられていました。主人が生まれたと同時に祖母が主人の実家に同居し始めた事もあり、主人にとって祖母は第二の母親のような存在だったようです。

葬儀には大勢の方が参列してくれました。代々、子宝に恵まれる家系のようで、祖母の娘達、孫たちは、最低でも子供は3人授かっており、親族だけで35人程集まりました。

無事葬儀が終了し、主人の一つ上の姉(以降、義理の姉と表記)は嫁ぎ先が遠い事もあり、葬儀が終了してから数日は、娘二人と主人の実家に残り、遺品の整理などを手伝ってくれていました。滞在最終日、私は挨拶がてら主人の実家に向かいました。

実家に到着して早々、義理の姉に「○○ちゃん(私の名前)聞いて聞いて、そう言えば、昨日うちの娘が怖い事言ったんだわ~。」と言われました。話によると、昨日の晩に3歳になる娘が外に行きたいとぐずり出し、仕方なく外に連れて出たそうです。

すると誰もいない道路を見つめながら「ママ、おばあちゃんが知らないおじさんと手を繋いで、こっち見てるよ。○○製鋼、○○製鋼」と言いだしたそうです。怖くなった義理の姉はすぐに家に戻り、その話を母親(義理の姉、主人の母親であり、私のお姑さん)に話しました。

お姑さんいわく「○○製鋼ってなんでそんな会社の名前知ってるんだろう?うちのじい様(主人の祖父、亡くなった祖母の旦那様)が行ってた会社だよ。じい様が死んだのはもう何十年も前なのにね。もしかしたら、おばあちゃんと手を繋いでいたおじさんっていうのは、じい様のことかもしれないね」とのこと。まだ3歳の姪っ子(主人の姪)がそんな事を知っているはずもなく、もちろん誰もそんな話を教えた事はないとのことでした。

それからというもの、姪っ子は何度もその会社名を口にしては、“おばあちゃんがそこにいるよ”と繰り返すようになりました。

祖母が亡くなってからちょうど2週間後、以前から決定していた私たちの結婚式があったため、身内の不幸があったものの、生前祖母が結婚式を楽しみにしていたことから、通常通り行われました。

結婚式の会食の時、「おばあちゃん楽しみにしていたのに、来れなくて残念だったね。」と私とお姑さんが話しているのを聞いた姪っ子は、不思議そうな顔をして「何言ってるの?おばあちゃんそこにいるじゃん!」と言いました。指さす方向には、もちろん誰もいませんでしたが、“小さな子供は幽霊などの特別な存在が見える事がある”ということと私自身、幼少期に不思議な体験をした事があったので、姪っ子の話をすぐに受け入れる事ができました。

祖母が亡くなったのは突然の出来事で、可愛い孫である主人の結婚式を見るまでは、本人も死んでも死にきれなかったのかもしれないな、と思っています。姪っ子の言葉は、祖母を招待してあげる事ができなかった事を後悔していた、私達夫婦の心を救ってくれたのです。

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