当時大学生だった私は、付き合っていた彼氏との間に子供ができました。
学生身分にもかかわらず、私は「産みたい」という思いでいっぱいでした・・・・
彼氏に猛反対されるも、これは譲れません。
普段なら彼の言うことに反論しない私も、この件については譲れないのです。
それでも、最後は根負けしてしまいました。
結局、中絶してしまうことに。
たくさん泣いて、生まれてくることができない赤ちゃんにお別れを言いました。
その日を境に、、、、、私は寝ているとき悪夢にうなされる様になります。
その夢は不思議な夢でした。
幽体離脱のように、私が寝ている自分を空中から眺めているのです。
寝ている自分を見下ろしています。
すると、スヤスヤ眠っていたはずの私は、だんだん苦しみだします。
そして、私の部屋の窓の鍵がガチャリと外れ、窓がゆっくりと開きます。
鍵の開いた窓からは、見たこともないような小さな生き物が部屋へと入ってくるのです。
ドロドロしたおぞましい形をした生き物です。
見ようによっては、溶けかかった赤ちゃんのようにも見えました。
それは、私の部屋に入ってくると、寝ている私の顔をじっと覗き込んでいます。
何をするわけでもなく、じっと覗き込んでいるのです。
それに顔を覗かれると、私はのた打ち回って苦しみだします。
その苦しみは、寝ている間中ずっと続きました。
そして、朝を迎えるのです。
この悪夢が1日だけなら我慢できたと思います。
ですが、その日から毎日のように見るようになりました。
同じ悪夢を毎晩見続けてしまうのです。
その日も、ドロドロの赤ちゃんのような生き物に顔を覗きこまれ、私は苦しでいました。
なんとか苦しみから逃れようと、空中に浮いている方の私は、寝ている私を起こそうしました。
寝ている自分の体をゆすってみたのです。
「ねえ。起きなさいよ。狂るしいなら、起きちゃえばいいんだよ。ねえ、ほら、起きて!」
そうすると、寝ている私はぱっと目が覚め、浮いている自分は寝ていた自分に吸い込まれるように吸収されました。
起きた私には、自分の部屋の天井が見えています。
良かった、悪夢から解放されたんだと、思いました。
そして、ふと隣を見てみると。。。。
いるのです。
ドロドロに溶けかかった生き物が、私の隣で顔を覗きこんでいるのです。
あれは夢じゃなかったの、とパニック状態です。
夢が現実になってしまったのです。
私は、そのまま意識を失い、気がつくと朝でした。
それ以来、私は水子の供養へと行くようになりました。
今の私にできることは、心の底から祈ることだけですから。
「ママがふがいないばっかりに、産んであげられなくてごめんね。」と。