この話は、20年以上前のことらしい。
管理人がある女性から聞いた話。
その女性を、仮にA子さんとしておこう。
彼女は20歳の頃、付き合っている彼氏がいた。
だがある時m彼氏と些細なことで喧嘩をしてしまった。
A子さんは、一時的に自暴自棄になってしまう。
彼氏とはこのまま別れるような気がした。
だからその夜、行きずりの男性と浮気をしてしまったのだった。
後日、我に返ったA子さんは浮気を酷く後悔した。
そのことは彼氏に秘密にしておこうか迷ったものの、隠している方が残酷だと思えた。
そして、彼氏に自分の過ちを伝えた。
彼はA子さんが思っていたよりも、遥かに狼狽してしまっていたようだった。
そして。
その夜、彼は亡くなった。
交通事故だったという。
大量の飲酒をして信号無視をして歩いていたらしい。
そこへトラックが来て、轢かれてしまったのだった。
即死ではなかった。
十数時間、生死の境をさまよった上であの世へと旅立ったそうだ。
彼が、病院で何を考えながらあの世へと旅立ったのかは謎だ。
だが、もしかするとA子さんに対する怨みの念を強く抱いていたのかもしれない。
浮気をされた苦悩を抱えたまま、死んでしまったその彼氏。
彼女に対する強烈な怨みが、現世に残ってしまったのかもしれない・・・
その日から、A子さんは夢でうなされるようになったのだ。
毎晩、夢に彼が出て来て、睨んでくるのだ。
そのうち彼はA子さんの首を絞めてくるようになった。
苦しくて苦しくて、耐えられなくなり意識が飛びかけると、目を覚ます。
あまりのリアルな夢に、怖くなり眠れなくなる。
やっと眠れることができても、また夢で彼に首を絞められる。
身体も心も休むことができなくなり、日に日にA子さんはやつれていった。