小学生夏休みの恐怖 家出と怪人2

前回→小学生夏休みの恐怖 家出と怪人

こんな時間にいったい誰なのだろう。

一瞬、家出がバレたのかと思った。

誰かの家族が捜しに来たのかと疑ったのだ。

でも、それはあり得ない。

なぜなら、この廃ビルで遊んでいることを大人たちは知らないはずだからだ。

じゃあ、誰なんだ。

コツン、コツン

足音はどんどんこちらに近づいてきている。

もうすぐ、俺たちのいるこの部屋まで来てしまう。

どうする。

どうすればいい。

俺たちは暗闇の中で、不安そうに顔を見合わせた。

だが、なにもアイデアは浮かばない。

目が慣れてきたのだろう。

窓から漏れる外からの光で、ライト無しでもお互いの顔は確認できる。

コツン、コツン・・・

マジでヤバいかもしれない。

足音はもう、本当に近くまで来ていた。

そして。

キィーー

扉が開く音が聞こえた。

どうやら、俺たちのいる部屋の隣の部屋に入って行ったようだった。

その場にいた皆が、安堵しているのが分かった。

「フ~・・・おい、どうする?」

一人が小声で聞いてきた。

俺は人差し指で静かにしろとジェスチャーを送りながらも、小声で返事をした。

「どうするも何も、相手が誰だか分からないだろ。」

「幽霊かな?」

「バカ、足音するってことは、足あるだろ?じゃあ、幽霊じゃないよ。」

「足ある幽霊もいるだろ?だって俺、昔・・・」

話が脱線してきたから、俺が引き戻した。

「そんなこと、どうでも良いから!・・・逃げた方が良いかな?」

「逃げるったって、どこにだよ?俺たち、行く当てないだろ。」

「じゃあさ、相手が誰だか、確認しようよ。」

「確認・・・?」

ワクワクする顔の奴と、恐怖を顔に浮かべる奴の、二つに別れた。

「こいつ、ビビってるよ!」

ワクワクした奴の一人が、恐怖した奴をバカにした。

指をさされた奴は憤慨した顔で、少し大きめの声で反論する。

「ビビッてねえよっ!」

「シッ!お前、うるせえよ!」

一人の奴が言った。

「とにかく、確認してみよう。今日来れなかった奴(友達)の誰かが、急きょ来たのかもしれないし。で、俺たちのことを探してるのかもよ?」

そうか、それもそうだ。

今考えれば、そんなことは絶対にないだろう。

でも、あのときの俺たちは、本気で友達が来たような気もしていた。

いや、そうでも考えないと、怖かったのかもしれない。

確認はしていないが、時刻はおそらく24時を過ぎているだろう。

小学生にとってすれば、未知の時間帯なのだ。

そんな時間に、得体の知れない足音が響いているのだ。

怖くないわけがない。

俺たちは、足を音を極力抑えながらそーっと隣の部屋に向かった・・・・

続き→小学生夏休みの恐怖 家出と怪人3

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