注意:気色悪い内容を含んでいますので、食事中の方や昆虫が苦手な方は閲覧しないようお願いします。
オカルト系の怖い話ではないんだけど、俺的に死ぬほどの怖かった体験。
これは、10年近く前の話。
当時、後輩の家でテレビゲームをやることに夢中になっていた。
モテないし、彼女いたことないしで、男の後輩とテレビゲームやることくらいしか趣味がなかったのだ。
その後輩は、いい奴だし、一緒にゲームやってると時間が経つのも忘れるくらい楽しかった。
でも、1つだけ気がかりなことがあったんだ。
その後輩の家は、やけにゴキブリが多いのだ。
夏場なんて、1時間に10匹以上見かけことも珍しくない。
下手な中華料理屋よりも多いんじゃないか思ってしまう。
俺は大のゴキブリ嫌いだから、後輩の家が好きになれなかった。
ある日のこと。
俺は例のごとく、後輩の家でゲームをしていた。
夏場ではなかったし、もうゴキブリも出ないだろうということで、安心していたのだ・・・・
俺たちはゲームに夢中になり、テレビ画面にくぎ付けだった。
俺はゲームをやりながら、自分の隣に置いてあるペットボトルに手を伸ばした。
ミルクティーを横に置いていたのだ。
そして、そのまま何も考えることなくミルクティーを口に運んだ。
普段、誰もが自然にやっているような動作だと思う。
俺もいつも通りにミルクティーを一口飲んだ・・・・
口に含んだ瞬間、おかしいと感じた。
でも、いつもの癖なのか、そのまま飲み込んでしまった・・・・
ミルクティーが喉を通過していくのが、スローになって伝わってくる。
ミルクティーの中に、ガサゴソという甲殻類特有の感覚を感じた気がした。
かなり大きなものを飲み込んだような感覚があった・・・・
喉に違和感を感じる。
全身に、鳥肌が立つのを感じた。
同時に猛烈な吐き気も押し寄せてきた。
ミルクティーのペットボトルを見ると、そこには何も入っていなかった。
でも、気が付いたのだ。
ペットボトルの蓋を開けっ放しで、放置していたことに・・・・
このゴキブリの巣窟、後輩の家で無防備過ぎた。
俺は凄まじい吐き気を催しながらも、普段の表情をキープしようと務めた。
いくらゴキブリ屋敷に住んでいようとも、後輩はめちゃくちゃ良い奴なのだ。
ここで俺が嘔吐でもすれば、後輩を傷つけてしまうかもしれない。
俺は、吐き気と戦い続けた。
その間にも、胃の辺りがむずむずしている気がする。
錯覚かもしれない。
うん、きっと錯覚だ。
胃の中で、あいつらは動かない。
でも・・・・もう限界だ。
俺は、何も言わずに立ち上がると、急いで後輩の家のトイレに駆け込んだ。
そして、涙を流しながら、便器に向かって吐き続けた。
ウエェェェーーーー
なんど、あげただろうか・・・・
気が付くと、胃の中にあるものを全部吐き出していたようだった。
立ち上がり、トイレの鏡を見るとげっそりとした自分の姿が目に映った。
そして、軽く口をゆすぐと、見たくはなかったけれど、自分の吐いた物がある便器を見た・・・・
すると、そこには。
一匹の成虫ゴキブリが、胃酸まみれでワシャワシャともがいていた・・・・・
終わり