追いかけてくる日本人形3

前回→追いかけてくる日本人形2  (→1話から読む)

俺はそれでも疲れのせいにした。

そう思わないと恐怖に押しつぶされそうになる。

もしも、今見たものが現実だとしたら、まるで日本人形に追いかけられているように思える。

そんなホラー映画のようなことが、あるとは思えない。

窓から一瞬見えただけだし、きっと見間違いだ。

暗かったのだ。

なによりも、恐怖を感じていた。

怖がって日本人形のことをばかりを考えていたから、幻覚を見てしまったのだ。

そうやって、自分を落ち着かせようとした。

電車に乗っている間、そのことが頭から離れなかった。

電車は乗り換えの駅に到着した。

この駅での乗り換えは、一度駅の外に出る。

俺は、駅の改札を抜けて道路を歩いた。

途中、ショーウインドウに映った自分と目が合った。

疲れた顔をしていた。

やはり疲労による幻覚説は濃厚かのしれない。

そう思った瞬間だった。

ショーウインドウに日本人形が映っていた。

ガラス越しに、俺の方を見ていたのだ。

俺の左後ろ50センチの位置だった。

人形は、宙にフワーっと浮いているように見えた。

俺はもうパニックだった。

暴れるようなしぐさで、後ろを振り返る。

でも、その空間には何もなかった。

もう一度、ショーウインドウに目線を戻した。

すると、いるのだ。

ガラス越しには見える。

人形は、宙に浮いて顔だけをこちらに向けていた。

俺は走った。

不格好な走り方をしていたかもしれないし、悲鳴を上げていたかもしれない。

ここは街中だが、今は周りの目など気にしている余裕はない。

駅に駆け込み改札を抜け、ホームで電車を待った。

電車を待つ間も、キョロキョロと辺りをうかがった。

きっと、周りにいた人からは挙動不審な人物だと思われていただろう。

何度も何度も、辺りを見回す。

得体のしれない日本人形について来られる恐ろしさといったら、言葉にできない。

どうすればいいのか分からなかった。

なんとか、最寄り駅まで到着した。

駅から自宅までは、周りが見えなくなるくらいガムシャラに走った。

自宅を、あの人形をに知られたくなかったのだ。

自宅に帰り着くと、すぐに鍵を閉めた。

そのまま布団にもぐって、思いつく限りのお経を唱え続けた。

そして、心の中で神に祈った。

助けてください。

もう2度とあの人形と会わないようにしてください。

だが、俺の願いは虚しく・・・・

それからも俺はいたる所で、日本人形を目撃することになる。

そして、あることに気がついてしまった。

あの日本人形は、俺の自宅に少しずつ近づいて来ているのだ。

最初に見たのは地方の公園、次が電車の中、その次は乗り換えの駅のそば。

それ以降も、どんどん自宅へ近づいてきていた。

このままのペースで行けば、近いうちには自宅まで来てしまいそうだった。

得体の知れない人形を自宅へご招待だなんて、笑えない。

もしも、家の中にあの日本人形が入ってきてしまったら、俺はどうなってしまうのだろうか。

殺されてしまうのだろうか。

続き→追いかけてくる日本人形4

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