これは、私が実際に体験した話です。
あれはもう、15年くらい前のことでしょうか。
私は現在結婚していますが、独身時代の話です。
あるとき、当時付き合っていた彼女とラブホテルに泊まりました。
私たちは中に入ると、まず二人でお風呂に入り、それからベッドインしました。
明かりは完全に消すことはなく、薄明かりのもと、愛を育んでおりました。
でも・・・
行為の最中、彼女がおかしなことを言い出しました。
「もうやめよう。」
私としては意味が分かりません。
まだ若かった私は、途中でやめるだなんて考えられず、不機嫌にすらなりました。
そして、彼女はこのホテルから出たいというのです。
もう、私が何を言ってもここから出たいの一点張りです。
仕方なく私が折れて、ホテルを出ることにしました。
ですが彼女は、ホテルから出た途端に、今度は泣き出すんです。
もう意味が分かりません。
理由を聞いても答えてくれません。
でも、落ち着いたころに彼女は話してくれました。
私たちが、行為に及んでいたとき、ふと彼女がベッドの端を目にしたのだそうです。
すると、ベッドが上下に揺れるたびに、真っ白い顔をした男が見え隠れするというのです。
ギシギシ
ベッドが上下に揺れるそのわずかな隙間から、真っ白い顔の男が見えるというのです。
私はそんな話、信じられませんでした。
幽霊の存在を信じていませんでしたから。
彼女が、私のことを避けたくて、幽霊話でも持ち出したのかなと思いました。
でも、彼女は決定的な証拠を見せてくれました。
その白い顔の男は、ベッドの横で、私のバッグをかじっていたと言います。(ベッド横の床にバッグを置いていました)
私たちが行為をやめたとたんに、男は消えてしまったのだそうです。
消えたということは、やはり幽霊の線が濃厚でしょうか。
私は話を聞いたその場で、自分のバッグを確かめました。
すると、確かに真新しい歯形がしっかりと残っていたのです。
相当強い力で噛まない限り、こんなに跡は残せないでしょう。
こんな歯形・・・・確かに、さっきまではなかったはずです・・・・
ラブホテルには、怪談や怖い話などがあると言いますが、まさか自分が心霊体験することになるだなんて思いませんでした・・・・
終わり