前回→学校の七不思議なのか?怪談なのか?2 (→1話から読む)
ベッドの中で、僕はいつの間にか眠っていたようだ。
気がつくと朝だった。
今までのことは、全部夢だったのだろうか。
事実だったのか、夢だったのか。
いくら考えても、はっきりしない。
ベッドから出てみれば、何かが分かるかもしれない。
寝ぼけ眼をこすりながら、食堂に行った。
母は食事を作り、父は新聞を読んでいる。
いつもと同じ光景だ。
「おはよう。」
声をかけると、二人ともびっくりした顔で僕の方を振り向いた。
「あんた、心配したのよ。昨日、いつ帰ってきたの?どこ行ってたの?」
何を言っているのだろうか。
詳しく聞いてみた。
「あなたが夜中までずっと帰ってこないから、お父さんと二人で探し回って、もう警察に行こうかって話していたのよ。で、私たちが家に帰ってみたら、あなたはいつの間にか自分の部屋で寝ているし。何度、起こしても起きないし。 本当に心配したんだから。」
どうなっているのだろうか。
僕は昨日、朝の9時過ぎには家に帰ってきていたのだ。
家にいなかったのは、母さんの方だったはずだ。
両親からは、根掘り葉掘り質問された。
説教もされた。
だが、僕には何のことやらさっぱり分からない。
その日は、学校に行くのが憂鬱だった。
昨日のことがあったからだ。
学校に行くのが気が重い。
正直言うと、怖かった。
でも、行かねばならないだろう。
勇気を振り絞り、学校に行ってみた。
行ってみて拍子抜けした。
そこは、普段と変わらない学校だったからだ。
クラスメイトに、いろいろと聞かれてしまった。
「昨日、なんで学校休んだの?」
「無断欠席だから、先生心配してたよ。」
僕は、学校には行ったのだ。
でも、そのことをクラスメイトには話せなかった。
いったい、あれはなんだったのだろうか。
その後。
僕の通っていた学校の七不思議のひとつに、異世界に関するものがあることを知った。
「ある日突然、異次元の世界に行ってしまう」という話らしい。
さらに、その話のオチを聞いたとき、僕は全身が凍りついた。
「異次元の世界から24時間以内に抜け出さないと、もう2度とその世界からは抜け出せない。未来永劫、その世界の住人になってしまう。」らしいのだ。
もちろん、これは単なる噂に過ぎない。
でも、本当にそれは噂なのだろうか。
分からない。
僕がなぜ、あの世界から戻ってこられたのかも分からない。
ただ1つ言えることがある。
それは、もう2度とあそこには行きたくないということだ。
終わり