これは、私が車の免許をとり立てのころに体験した話です。
免許も無事取れたことだし、自分の運転でどこか行ってみたいな、と思っていた矢先。
友達の京子から、「ミサ、今度ドライブ連れてってよ。」というオファーを受けました。
断る理由もなく、2つ返事でオッケーをだします。
免許はあれど車はないので、レンタカー代やガソリン代は二人の折半ということにしました。
そして、出発します。
ドライブの目的は特になかったのですが、秋だったこともあり急遽紅葉を見に行くことにしました。
ですが、私の慣れない運転と、京子のグダグダなナビです。
迷う、なんてものじゃありません。
出発してから気がついたのですが、いきなりの遠出は少し無謀だったなと感じました。
それでも行きはまだ良かったんです。
帰りはもう、運転したくないくらい疲れていました。
疲れた私に気が付いたのか、京子は言ってくれました。
「運転代わってあげたいけど、あたし運転できないからごめんね。帰り遅くなっていいから、少し休もう。」
お言葉に甘えて、少し休憩することにしました。
でも、そこは山道で休憩できる場所がありません。
あたりは真っ暗です。
車を停めて、自動販売機で買ったジュースを飲んでいましたが、なんとも不気味な雰囲気です。
明るければ紅葉が綺麗なのでしょうけど、夜は怖い場所に思えました。
「せっかくだけど休憩もういいわ。急いで帰ろう。」
私の意見に、京子も賛成してくれました。
きっと二人とも怖かったのでしょう。
車に乗り込み、走りだしました。
すると突然。
道路の脇の暗闇から、赤いコートを着た女の人が飛び出してきました。
きぃぃぃぃーーーー
急ブレーキを踏みましたが、間に合いません。
ドン
鈍い音が響きます。
頭は真っ白です。
全身の毛穴から汗が噴出している感覚でした。
人を・・轢いてしまった・・・・