戦慄・恐怖の心霊体験「海辺とカップルビデオ」2

前回→戦慄・恐怖の心霊体験「海辺とカップルビデオ」

少し道に迷ったが、何とかホテルに到着した。

彼女はどことなく緊張した顔をしている。

もしかすると俺の方が緊張していたかもしれない。

部屋に入り、まずは備え付けのポットでお茶を沸かした。

お茶でも飲みながら、ホラー映画を見ようと思ったのだ。

休憩は3時間だ。

このビデオを選んだのには、もう一つの理由があった。

パッケージが怖いことだけではないのだ。

時間が短かったのだ。

収録されているのはせいぜい1時間くらい。

せっかくホラー映画を口実にホテルに来ても、映画だけを見て終わってしまっては意味がない。

計算高い俺は、ちゃっかり先のことを考えていた。

沸かしたお湯がぐつぐつ音を立て始めた。

俺は手早くお茶を入れる。

緊張を和らげようと少しだけ談笑しながら、ビデオテープをデッキに差込んだ。

準備万端だ。

せっかくだから、暖房を弱くして彼女の真隣に座った。

これで、いつ抱きついてこられてもオッケーだ。

いざビデオを見始めて、俺はいささかがっかりした。

日本の古いホラーって感じなのだが、それほど怖いシーンはなかった。

唯一怖かったのは、ラストの方だけだった。

主人公の少女を追いかけてくる女の幽霊シーンだ。

少女は叫びながら、幽霊から逃げるのだ。

「やめてーーー!来ないでーーーー!助けてーーー!」

このシーンだけは異常な迫力があった。

ストーリーはありきたりで、はっきり言えば退屈だったが、このシーンだけは全身が凍りつく思いになった。

さあ、ビデオは見終わった。

最初から、俺の目的はこれじゃない。

ビデオの停止ボタンを押して、続けざまに巻き戻しのボタンを押した。

ここからが勝負だ。

俺はいつになく緊張し、彼女のそばに行く。

その緊張が伝わっているのか、彼女は下を向いてしまっている。

そっと抱きしめると、彼女は体重をこちらに預けてくれた。

俺たちはやさしくキスをして、場所をベッドに移した。

枕もとの電気を暗くし、無言で彼女を抱きしめた。

ああ、このときを俺はここ数ヶ月待ち望んでいたのだ。

俺は、服を脱ぎ下着姿になり、彼女の服も脱がせた。

お互い下着姿になって、彼女は照れたように小さく微笑んだ。

そのとき、うっすら点いていた電気がぱっと消えた。

一瞬すべてが何も見えなくなった。

ホテルの部屋は、遮光の作りになっているのだ。

停電だろうか。

そう思ったとき、突然大きな声が部屋中に響いた。

「やめてーーー!来ないでーーーー!助けてーーー!」

続き→戦慄・恐怖の心霊体験「海辺とカップルビデオ」3

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