リアルな怖い話「賃貸アパート」2

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弟は突然真剣な顔になり、私の顔を見ています。

そして、一つ咳払いをすると、こんなことを口にしました。

「姉ちゃん、この部屋に引越したときに鍵は替えた?」

なにを言い出すのかと思えば、そう思いながら返事をしました。

「ううん。変えてないよ。鍵換えるのは実費だっていうからね。そんな余裕なくて、替えなかったんだ。」

すると、弟は何を思ったのか眉間にしわを寄せました。

しばらく黙ったかと思ったら、こんなことを言い出しました。

「今すぐ鍵を替えよう。金ないなら俺が出してやるから。」

学生の弟が、こんなことを言うことに驚きです。

私は弟の言っている意味が分かるようで、分かりたくないようで、戸惑いました。

「誰かが私の家に入ってきているっていうの?そんなこと絶対ないよ。」

きっと、弟の言っていることはそういうことなのでしょう。

意味は分かります。

でも認めたくないのです。

弟の考えていることは、私にとってあまりに恐ろしいことでしたから。

ですが、言われてみて思いました。

なんとなく思い当たる節があるのです。

でも、やはり認めたくない気持ちが勝ってしまいます。

ふと弟を見ると、すでにインターネット検索を始めています。

近所の鍵屋を探すためにです。

あれよあれよという間に、弟に押し切られました。

家には鍵屋さんが来て、あっという間に鍵の交換をしてくれたのです。

弟は「これで大丈夫だから」と笑顔で言ってくれました。

それからというもの。

もう下着がなくなることもありませんでした。

麦茶の味がおかしくなることもなくなりました。

ですが、あれはすべて私の気のせいだったような気がしていました。

まだ認めたくなかったのだと思います。

そして、鍵を替えてから数週間が経ちました。

私は会社から帰宅し、いつものようにアパートの郵便受けを開けてました。

そこには、1枚のメモ用紙が入っていました。

私は、何も考えずにそのメモ用紙に書かれている文字を読みました。

そして、それを読み絶句してしまいました。

そのメモ用紙には一言、こう書いてあったのです。

「なんで鍵替えたんだよ」

汚い字で、殴り書きされていたのです。

終わり

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