実話「山の怖い話」心霊2

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窓の外にいたのは、俺と同じ歳くらいの女の子だった。

白いワンピースのようなものを着ている。

しかも着ている服以上に、真っ白い肌が印象的な子だった。

十秒くらいだろうか。

俺と女の子は、窓越しに見つめ合っていた。

・・・突然、誰かが俺の背中を強く押した。

とても強い力で、背中が押されたのだ。

振り向いてみると、友達のAが怪訝な顔で俺の顔を覗き込んでいる。

「なんだよ、いきなり人の背中を強く押すなよ。ビックリするだろ!」

俺は、さっきまで怖がっていたことを悟られたくなくて、大きな声を出した。

Aは返事をする。

「ビックリしたのは俺だよ。小屋の外に来てみたら、誰かの話し声がしてるんだから。ドアから小屋を覗いて見たら、お前一人しかいないんだもん。他に誰かいるのかと思ったのに、お前しかいねえし。中に入って良いものかどうか迷ったよ。 で。仕方ないから、ずっと見ていたけど。お前、十分以上壁を見つめて独り言言ってるしさ。」

「ちょっと待て。まず、俺は一人じゃないし、誰ともしゃべってなんかない。それに俺はここに来てまだ数分だ。十分以上なんていないから!」

友達が意味不明なことを言うものだから、俺は気味が悪くなった。

「いやいや、俺腕時計してるから。お前が十分以上一人言話してたのは絶対だよ。はっきり言って、お前めちゃ怖かったから。話しかけようにも、話しかけられる雰囲気じゃないし、日本語じゃない言葉しゃべってるし、俺帰ろうかと思ったから!つーか、今でもちょっと、お前怖えよ。」

友達は一気にまくし立てた。

俺は意味が分からなかった。

窓の外の女の子と、せいぜい十秒くらいは見つめ合っていたことは確かだ。

でも、女の子と話もしていなければ、十分なんてここにいない。

ましてや、俺は日本語以外の言葉はしゃべれない。

あ、女の子に聞けばいいのだ。

興奮して忘れていた。

女の子に聞けば、俺が正しいことを証明してくれるはずだ。

「お前、窓のところ行って見ろよ。外に女の子いるから。で、聞いてみろよ。」

友達は納得いかない顔で、窓のそばまで行ってみる。

そして、眉間にしわを寄せてこういった。

「窓の外、岩だらけでこんなところに人は立てねえよ。つーか、こんな小さな窓から外ほとんど見れねえじゃん。」

そんなわけあるか。

俺はさっき確かに女の子を見たのだから。

窓に駆け寄る。

すると、友達の言ったとおりだった。

窓は小さく薄汚れていて、中から外の様子はほとんど見ることができなかった。

しかも、外は岩だらけで、とてもじゃないが人は立てない。

ましてや、ワンピースを着た少女では到底無理だった。

俺は唖然とした。

友達Aは、気味悪がってそうな、でも勝ち誇ったような、なんともいえない顔で言った。

「お前、気持ち悪い!今日は帰った方がいいんじゃん?」

俺はもう何がなんだか分からなかった。

とにかく、自分自身が怖くなってしまった。

あの女の子はいったいなんだったのだろう。

あれから、十数年経った今でも、女の子の顔が忘れられない・・・・

終わり

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