よく考えると怖い話「マンションの隣人」

俺が子供の頃に体験した話。

まだ小学校の低学年の頃だった。

俺の実家は、マンションの一階だ。

それなりに綺麗なマンションで、実家が好きだった。

ある日の夜中、たぶん深夜一時か二時くらいのこと。

隣の部屋がやけにうるさかった。

俺は一度寝たら起きない子供だったのに、あまりにうるさくて起きてしまったほどだ。

男女の怒鳴り声と物が壊れる音。

度を超えたうるささに、うちの親父は怒ってしまった。

「何時だと思っているんだ。すぐ収まるかと思って様子を見ていたが、一向に収まらん。××(俺の名前)まで起きてしまったじゃないか。ちょっと文句言ってきてやる。」

そういうと、上着を羽織り玄関へ向かった。

玄関からは、おふくろが親父をなだめる声が聞こえてくる。

結局、ギリギリのところで親父も隣人への文句はとどまってくれた。

それからしばらくすると、あれほどうるさかった物音や怒鳴り声はぴたりと止んで、普段の静寂が帰ってきた。

そして、俺達家族は平和に眠ることができた。

数日後、事件が発覚した。

うちの隣の30代の夫婦の旦那が奥さんを殺めてしまったというのだ。

夫婦喧嘩がエスカレートしてしまったようだ。

事件が起きた日は、まさに俺達家族が眠れずにいた夜だった。

地元ではそれなりに大きなニュースになったが、全国ニュースではあまり大きく取り上げられなかった。

ワイドショーで取り上げられていたのだが、それを見たときに、俺は全身に鳥肌が立った。

それは、犯人(旦那)の中学時代の友人のインタビューだった。

「あいつはね。昔から頭に血が上ると、滅茶苦茶なことするんだよ。俺も昔、あいつの喧嘩の仲裁に入って殺されかけたから。」

親父、文句を言いに行かないで良かった。

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