本当にあった怖い話「障子越しの人影」

これは、俺が幼稚園の頃に体験した話。

当時、俺が住んでいた家の二軒先がお墓だった。(うちとお墓の間には、民家が一軒あるという意味)

幼稚園児だった俺は、とにかく怖がりだった。

暗い場所なんて絶対ダメだし、部屋に一人で居ることもできない怖がりだった。

ある日の夜。

俺は自宅の二階へ、姉と一緒に行った。

姉は二階の子供部屋で、学校の宿題をやっている。

俺はというと、子供部屋の隣にある和室に、電気も点けず一人で入って行った。

理由は分からない。

まるで吸い込まれるように、スッーっと入って行った。

その和室は、普段まったく使っていない部屋で、物置と化している。

両親ですら滅多に入ることがないその和室に、子供の俺が入ること自体非常に珍しいことだった。

ましてや、超絶怖がりなのに、夜に電気もつけないなんてあり得ないことだ。

でも、その日はなぜか全く怖くなかったのだ。

暗闇で一人、何をするわけでもなくボーっとしていた。

ただひたすら、障子越しに窓を見ていた。

なぜ窓を見ていたのか自分でも分からない。

どれくらい時間が経ったろうか。

トントントントントン

誰かが階段を下りていく音が聞こえる。

おそらく姉が宿題を終え、一階へ降りて行ったのだ。

今現在、二階にいるのは俺一人。

真っ暗な二階に一人、まだ窓を見ていた。

本来の俺なら、きっと泣き叫んで怖がっていただろう。

でも、今は不思議と怖くないのだ。

突然、部屋がボンヤリと明るくなった。

電気を点けたわけじゃない。

窓から光が差し込んできた。

隣の家の電気がついて、障子越しに光が入り込んできたのだ。

どうやら、隣の家(墓地の真隣の家)の住人が、二階に上がってきたらしい。

俺はその後も、ただひたすら窓を障子越しに見続けた。

幼稚園児が、真っ暗な部屋で一人でいるだけでも不気味なのに、ひたすら窓を見ているなんて、異常かもしれない。

突然、そのときは訪れた。

障子に人影が現れたのだ。

人影は、スゥーーと滑るように動いたと思ったら、急に小刻みに震えだした。

カタカタカタカタカタカタカタ

なんと表現して良いのかが分からないが、人間の動きではなかった。

コマ送りのようなイメージとでも言おうか。

カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

同じ場所にとどまって、コマ送りのように体を小刻みに動かしている。

カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

その動きはどんどんと激しくなっていった。

続き→本当にあった怖い話「障子越しの人影」2

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