前回→怖い話実話「夢でよかった」4 (→1話から読む)
フラフラと画面が揺れながら、撮影者はアパートの前まで来た。
そのまま、外の階段を上りだした。
コツ、コツ、コツ
俺の部屋は二階の、一番手前だ。
撮影者は俺の部屋の前で止まった。
そして、部屋の鍵を取り出して、ドアを開けようとしている。
「こいつ、なんで鍵を持っているんだ。」
声に出してしまっていた。
撮影者は鍵を開けると、とてもゆっくりとドアを開いた。
きぃーー
扉がきしんでいる。
新しい建物ではないのだ。
ドアのきしみが女性の叫び声のように聞こえたる。
撮影者はゆっくりと室内に上がりこんできた。
いつ撮影されたものなのだろうか。
頭が真っ白になってくる。
撮影者は、ゆっくりと室内を歩いている。
部屋の明かりをつけていないから、よく見えない。
ただ、暗い画面が揺れているのはわかった。
突然、カメラが暗闇で何かをとらえた。
暗くてよく見えないが、俺には何が映っているのがが分かってしまった。
情けないことに、俺は足をガクガクと震わせていた。
「なんで・・・・なん・・で・・・俺の顔が映ってるんだよ・・・」
そう、そこには俺の寝顔が映っていた。