怖い話実話 長編「夢でよかった」4

前回→怖い話実話「夢でよかった」3   (→1話から読む)

ビデオの続きを見るのが怖かった。

でも、ここで止めればさらに怖い気がする。

意を決して、一時停止を解除した。

相変わらず、画面がぶれまくる。

フラフラと歩行しながら撮影しているためだろう。

映像は俺の住むアパートへと近づいてくる。

撮影者は、どこまで来るのだろうか。

なぜ俺の靴を履いているのだろう。

どうやって手に入れたのか。

疑問がたくさんあったが、ここでビデオを一時停止をした。

自分の行動の意味はよく分からない。

きっと、先を見るのが怖いのだ。

今は歯磨き中だからと、自分の中で言い訳をする。

理由なんてどうでもいい。

この場から逃げ出したいのに、それが出来ないだけなのだ。

洗面所に行き、うがいをした。

洗面所から出ると、玄関に行ってみる。

そして、自分の靴を手に取った。

本当は触りたくなかったが、今はビデオを見るのを先送りにしたかったのだ。

靴は、いつもの靴だった。

何の違和感もないはずだった。

だが、俺はあることに気が付いてしまう。

この靴紐の結び方は、俺の結び方ではない。

俺は靴紐の結びに変なこだわりがあるのだ。

だから、分かる。

この結び方は、微妙に俺のとは違う。

言葉で説明するのは難しいが、俺は靴紐の長さを左右均等にしないのだ。

理由はないが子供の頃からの癖とでも言おうか。

でも、今手に持っている靴は、紐の長さが左右均等だった。

全身に鳥肌が立つ。

もう、ビデオの先を見るしかない。

続きを見て、答えを知らなければならない。

場合によっては警察へ通報しなくてはならない。

そう思って、ビデオの一時停止を解除した。

画面をじっと見つめる。

そして、映像の中で撮影者は、ついに俺のアパートの前まで来た。

続き→怖い話実話「夢でよかった」5

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