怖い話実話 長編「夢でよかった」2

前回→怖い話実話「夢でよかった」

テープがガタガタ言っている。

再生ボタンを押しても、砂嵐しか映っていない。

一瞬、停止ボタンを押そうかと迷う。

しばらくすると、やっと何かが映った。

夜道だ。

夜道を誰かが、歩いているようだった。

歩いている人間が撮影者だ。

どうやらら、撮影者は一人らしい。

フラフラ、ヨタヨタと歩いている。

酔っ払いの動きを大げさに真似たような歩き方に思えた。

なぜこの人は、フラフラな状態でビデオカメラを回しているのだろうか。

少しだけ疑問は感じたが、続きをぼんやりと眺めた。

そして、あることに気が付き俺は固まった。

それは、知っている道だったのだ。

知っているも何も、このアパートのすぐそばだった。

なぜすぐに気がつかなかったのだろうか。

撮影者の手元がぶれまくっているせいかもしれないし、ビデオが夜間撮影だったためかもしれない。

もしくは、ビデオカメラ自体の性能が悪いということも考えられる。

理由は分からないが、その道がアパートのすぐそばだということに遅れて気が付いた。

驚いた理由はそれだけはない。

撮影者が歩いている道順は、俺がバイト先からから帰る道順そのものだったのだ。

というのも、その道順は少し特殊なのだ。

大通りを避けて歩くのだ。

裏道をばかりを選んで歩くため、まったく同じに道順であるというのはおかしなことだった。

これは、バイト仲間のイタズラだろうか。

しかしそれは考えにくかった。

バイト仲間には、アパートの場所を教えていないはずだ。

もしも履歴書を見て、このアパートにたどり着けたとしても、絶対にその道は通らないはずだ。

普通は、大通りから来るはずだ。

自分と関係がありそうなそのビデオに、俺は集中してしまっていた。

途中、カメラが大きく揺れて、ある物が映った。

俺はそれを見て、吐き気を感じた。

続き→怖い話実話「夢でよかった」3

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