怖い話実話 長編「夢でよかった」1

あれは、俺が大学生の頃だった。

当時、ボロアパートの2階に住んでいた。

実家からの仕送りももらっていたが、それだけでは生活できずバイトもしていた。

ある日のこと。

バイトから帰ると、ジャケットも脱がぬままベッドにダイブした。

あまりに疲れていたため、風呂に入るという発想すらなかった。

そして、いつの間にか眠っていた。

どれくらい経っただろう。

ガタンという音で目が覚めた。

時計を見ると2時半を指している。

バイトから帰ったのが確か12時過ぎだったはずだ。

2時間ほど眠ってしまっていたようだ。

それにしても、さっきのは何の音だろう。

玄関の方から聞こえた気がするが。

とりあえず、トイレに行こう。

ついでに玄関をチェックしてみた。

ドアの郵便受けに何かが入っているのが見えた。

どうやら、さっきのは郵便受けに誰かが何かを入れた音だったようだ。

深夜に、誰が何を配達してきたのだろうか。

一応、調べておこう。

ないとは思うが、発火装置でも入っていたら大変なことになる。

郵便受けを開けると、そこには1本のビデオテープが入っていた。(当時はまだDVDなんてなく、ビデオしかない時代だ。)

何のビデオだろうか。

真っ先に思いつくのは、AVである。

誰かのイタズラだろうか。

とりあえず、放火ではなくて安心した。

ビデオの中身が多少気になったが、それ以上に今は眠い。

トイレから戻ると、まだ脱いでいなかったジャケットを脱ぎ捨てた。

そのままベッドに横になると、あったという間に眠ってしまった。

まぶしさで目が覚めた。

カーテンの隙間から、日の光が差し込んでくる。

安物のカーテンでは、太陽の光を防いでくれない。

時計を見ると朝の9時だった。

口の中が気持ち悪いことに不快感を覚える。

昨日、歯磨きをしないで眠ってしまったのだ。

ノドも乾いていた。

冷蔵庫を開けると、麦茶を飲んだ。

そして、歯を磨くことにした。

歯ブラシをもってベッドの上に座る。

すると、目が1本のビデオテープにとまった。

昨日の夜に投げ込まれた謎のビデオテープだった。

見るべきだろうか。

なんとなく、嫌な予感がした。

だが、同時に好奇心もあった。

俺はテープをビデオデッキに入れると、再生ボタンを押してみた。

続き→怖い話実話「夢でよかった」2

スポンサーリンク